イノベーションを育てる島

イノベーションを育てる島

世界に名だたる企業は、人口知能 (AI)、ブロックチェーン、拡張現実 (AR)、モノのインターネット (IoT) のいずれであるかにかかわらず、重要な競争上の優位性を獲得するには、デジタルテクノロジーの力を活用する必要があるということを認識しています。

 

アウディ、フィリップス、プライマークWomen’s World Banking (WWB、女性のための世界銀行)、スペシャルオリンピックスは、スマートデジタルソリューションに関し、デジタルイノベーションにおける卓越した能力提供するという点でアイルランドを選んでいます。

 

アイルランド政府商務庁は、アイルランドの貿易・イノベーション振興機関であり、アイルランド政府のベンチャーキャピタル部門を担っています。そのアイルランド政府商務庁のICT責任者Carol Gibbonsは「アイルランドのテクノロジー企業は、国際市場の需要を注視し、市場のニーズを理解しています。CEOたちは、自社の製品とサービスが世界的なブランドにもたらす価値を認識しており、要求される極めて高い基準を実現しています」と述べています。

 

グローバルな視点をもつ小さな島国 

アイルランドには、1,000社を超えるデジタルテクノロジー企業がひしめています。それだけでなく、数多くの多国籍企業がアイルランドを欧州の戦略拠点として選択していることから、アイルランドは欧州地域で最大かつ最も活気あふれるテクノロジーハブの1つとなっています。アイルランドの強力な企業基盤は、主に、国際競争力をもつ企業と繁栄するスタートアップ企業から形成されています。

 

アイルランドのテクノロジー企業の多くは、それぞれの業種で実績を収めている世界トップクラスの企業であり、人事からメディア、旅行、製造、金融、SNS、ゲーム、運輸、プロジェクト管理といった、さまざまな分野にわたって高度で優れた製品を国際的知名度のある企業に提供しています。

 

「アイルランドのテクノロジー産業の活力と奥深さには目を見張るものがあります。アイルランドは、まさに開放的で画期的な経済活動の場となっています。テクノロジー企業は、国際的な視野に立って積極的かつ前向きに事業を展開しており、売上の半分以上を輸出によって得ています」(Gibbons)。

 

アイルランドのテクノロジーの最大の輸出先は北米であり、2018年の輸出額は16億ユーロです。その次が英国の9億ユーロ、さらにその次が英国以外のユーロ圏で5億ユーロとなっています。

 

超大手国際企業とのコラボレーション 

アウディ、スペシャルオリンピックス、WWBといった国際的に有名な団体と取引を維持することは決して容易ではありません。しかしGibbonsによると、アイルランドの企業は、専門知識と、関連技術や国際的な経験の応用力を強みとして成果を収めているとのことです。

 

多くの超大手テクノロジー企業がアイルランドにEMEAセンターや開発センターを置いています。「アイルランドのテクノロジー企業は、こうした国際大手企業と共に成長しています。コラボレーションを通じて、お互いのテクノロジーとノウハウを融合させ、新たなテクノロジーの開発を促進し、研究開発を迅速化させています。アイルランドの企業には、そのようにイノベーションの卓越性を追求するカルチャーが浸透しています」(Gibbons)。

 

イノベーションを受け入れ、優れた人材を育てる環境 

「アイルランドはソフトウェア開発に関する長い歴史があることで世界的に知られており、それこそが、データアナリティクス、ブロックチェーン、AR/VR、コグニティブクラウドコンピューティング、IoTすべてにわたる、現在の傑出したデジタルテクノロジーイノベーションの基盤となっています」(Gibbons)。

「また、アイルランドは、デジタルテクノロジーイノベーション分野で優れた人材を輩出し、こうした人材を引き付けています。アイルランドのテクノロジー企業は、世界最高水準の研究開発エコシステムと活発な投資活動に支えられています」(Gibbons)。

アイルランドは、何十年もの間、世界有数の研究、開発、イノベーション拠点となることをイノベーション分野の明確な課題として掲げてきました。過去3年間でアイルランドの科学的卓越性に対する評判は高まっており、現在、アイルランドは経済や社会の発展のための新たな知識を生み出し、活用することに関して世界をリードしています。

実際、アイルランドは、2018年には、European Innovation Scoreboardで革新的SMEと知識集約型活動の2つ項目で第1位に位置付けられました。また、研究およびイノベーションに関するEU全体のプログラムであるHorizon 2020で際立った実績を上げており、2014年のプログラム開始以来、Horizon 2020までに5億ユーロ以上の収益を確保しています。

「5億ユーロのDisruptive Technologies Innovation Fundをはじめとするアイルランドの取り組みは、大きな変革をもたらすものであり、イノベーションによる真の価値を提供する創造破壊的技術のための企業間のコラボレーションを可能にします。AI、ブロックチェーン、持続可能な技術などの分野で大きな成果が期待されます」(Gibbons)。

 

優れた才能を支援し、国際ルートを確立 

アイルランド政府商務庁は、最近、PitchBookによってベンチャーキャピタル融資機関として世界第2位に位置付けられ、また、2019年の出資件数では欧州第1位となっています。Seed and Venture Capital Schemesの一環として、2019年には2,400万ユーロを127社のスタートアップ企業に、2018年には7,200万ユーロをベンチャー企業に融資しています。

「私たちは、常にアイルランドのテクノロジー企業と共に歩んでいます。世界的な状況を把握し、有望なスタートアップ企業が国際的な規模の企業へと変身するためには何が必要かを理解しています。アイルランド政府商務庁の全世界40ヵ所の拠点ネットワークは、企業の長期的な計画を発展させ、導くだけでなく、全体的に再編するため、また、企業の将来における成長を促進するため、日常的な連携を通じて、企業がアイルランドの画期的なテクノロジーを供給できるように支援しています」(Gibbons)。